選考委員 | 中原慎一郎(インテリア&プロダクトデザイナー) |
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島田昭彦(京都伝統文化プロデューサー) | |
橋爪淑子((株)三越伊勢丹三越銀座店ジャパンコレクションマーチャンダイザー) | |
小仲正克(株式会社日本香堂ホールディングス代表) |
作品名:「Cliff」
【選考委員より】
小仲 | 最優秀賞に選ばれた姫野さんの作品です。審査員全員一致でした。 中原さんいかがですか。 |
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中原 | 中のグラデーションがすごくきれいに見て透け方もそうなのですけど、造形、デザインがいいなと思って選びました。 |
小仲 | 実は選考の最後の最後に入れた作品です。 |
島田 | よく見るとすごいよくできた作品ですよね。 |
中原 | バランスがよい。 |
小仲 | ご職業柄か、非常にプロダクトっぽい。 |
島田 | 全体のバランスの造形もそうだし、差し込むところも難しいと思うけど絶妙にこう前後のバランスもいいし色もきれいです。普通香皿って静的イメージが強いのですけど、静の中に動があるという斬新さがあり、今までの香皿概念とかイメージを突き破った作品かなと思いました。 |
橋爪 | 皆さん全部言っちゃった感じです(笑)。見てかっこいいというひとことです。 |
中原 | 直感でね。 |
橋爪 | はい、静的な中に動的なっていうのがすごいピッタリする感じがします。 |
小仲 | かっこいいですよね。ありがとうございました。 |
作品名: Silence pool
【選考委員より】
小仲 | 優秀賞も最優秀賞にしてもよいくらいのプロダクトだと思うのですがいかがでしょうか? |
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島田 | 金属でこれをつくっているのはすばらしいと思いましたね。最終的にはお皿になっていますけどひとつひとつはパーツとしての創造なのでそこをチームで考えられたと思うのですけどよく考えられたなと。 |
小仲 | 着色はどうしているんでしょう? |
中原 | 塗装でしょうね。大きい型をとって・・・レーザーで抜いているんでしょうかね。 実際のプロダクトにするときはどういう計画かですね。 |
小仲 | よく考えられている。 |
島田 | 結果お皿になっているけど、パーツごとになっている。 |
小仲 | 男性が考えられた感じです。 |
橋爪 | 今回は男性が多いですね。 |
島田 | 多いですね。昨年の感じとは違いますね。 |
中原 | 色のプロダクトがきれいです。 |
島田 | 見ていて飽きない感じですね。 |
小仲 | 1次選考の時は1色だったんですね。 |
橋爪 | ブルーの色合いがすごくいいですね。違った色だったらまた違う結果になっただろうし、すがすがしい感性ですね。 |
小仲 | ありがとうございました。 |
作品名: ~New Crossing~
【選考委員より】
中原 | これはシンプルなんですけど、中がきれいに仕上げて細かくきれいなコントラストがいいなと。シンプルだけど面白い。立てて使えないかと思ったんですけど。 |
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橋爪 | そうですね。ヘアラインが入っていなかったらまた違いますね。 |
中原 | そうですね。最初にかけて曲げている、匠だなと。 |
小仲 | 実際にプロダクト化した時は(香立の)接着とかしやすそうですね。ありがとうございました。 |
作品名:しあわせをかさねて
【選考委員より】
小仲 | ストーリーにぐっと来たという島田賞はいかがでしょうか? |
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島田 | 京都らしい着物の重ね、ストーリーがあって僕はこれはいいと思いました。 重ねる色を伝えていて、着物をモチーフにしておばあちゃんからお母さんへ贈られた着物から発想し、それを香皿に落とし込んだ、鑛納さんの研究テーマが「重なる色と形」ということで、それぞれのデザインを上から見ても楽しめるし、1 枚ずつでもきれいですし、日本人が忘れかけていた重ね技を香皿で表現されている。他の作品では 1 枚でという中で重ねてということで色も楽しめますし、将来性も考えて選ばせていただきました。普段の研究の中から応募してくださったのが嬉しい気持ちもします。海外の人にもうける、日本の重ね文化。もうひとつは結婚のお祝いとかプレゼント用とかそういったストーリーもあるのかなと。 |
中原 | 醤油さらとかにもいい。 |
小仲 | 「しあわせをかさねて」という作品名もいいですね。ありがとうございました。 |
作品名:ゆらぎ
【選考委員より】
小仲 | 橋爪さんいかがでしょうか? |
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橋爪 | 今まで香皿というと、平べったいイメージが多いと思ったので、しかもガラスで流線形のものがないんじゃないかなと、今までのイメージを変えるものがこれかなと。 今回、新島ガラスセンターの方々が応募してくださったのがとてもいいなと思います。 あと、ガラスが火山石を材料にした天然の色ガラスで素材の選び方もとてもよいです。 香皿だけでなく、花器に見立てたり色々な可能性があると思いました。 吹きガラスでつくられているので、ハンドメイドですね。 |
島田 | 写真よりも現物で見るとまた違いますね。 |
小仲 | ありがとうございました。 |
作品名:Water Lily
【選考委員より】
小仲 | 最後に香十賞お願いいたします。 |
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榊原 (香十社長) |
香十の雰囲気にあっていて、プロダクト化するのにとても良い感じでした。陶器ですてきだなと。箱庭の感じで一番いいです。 |
橋爪 | 香十ぽい感じですね。 |
島田 | 贈り物にもいいですね。葉っぱの部分も素敵です。 |
小仲 | 審査員の皆様は選ばなかったのですが、香十としてはこちらがよいと思ったんですね。一押しでしたね。 |
榊原 | はい、これが最初からいいと思っていました。 |
小仲 | ありがとうございました。 |
作品名:和む
【選考委員より】
選考委員 | 全体的な素材感とアイデアがよく、お香を立てる部分も考えられていて面白いと思いました。 |
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作品名:蓮華文梵焼皿
【選考委員より】
選考委員 | デザインが繊細で、蓮華の美しい模様が見事につくられています。 |
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作品名:香流
【選考委員より】
選考委員 | 反射して映り込み感じがいいですね。水面に見立てられた表面が鏡に映ったように美しく引き込まれました。 |
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作品名:いのり
【選考委員より】
選考委員 | こちらを見たときに、仏壇がない家に置いていただくイメージがわきました。また、余談ですが、遠くから見るとワカサギ釣りをしているようにも見えたので、下の皿部分に魚を象っても面白いかなと思います。 |
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【審査を終えて】
小仲 | 今回は、橋爪様にも審査員としてご参加していただきありがとうございました。 |
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香十 | 第2回香皿コンテストは素材を増やして(陶磁器製の他、ガラス、金属)公募致しました。 合計69点作品の応募をいただき、第一次選考で24作品が選出されました。 最終選考にて、最優秀賞、優秀賞、各審査員賞4作品、アイデア賞4作品の10作品が選出されました。 |
島田 | 今回は陶器が少なかったですが、また次回は陶器の応募が増えることを願っています。 |
小仲 | 香十という名前だけでなく、審査員の皆様のおかげでこういった作品が集まったと思っております。誠にありがとうございました。 |